01. 本作における新海監督からの最大のメッセージとは何か?
現実の世の中において2010年代以降、夏の降水日数は年々多くなっている傾向です。これは人間が地球環境を変化させてしまったための異常気象ではないかと世間では言われています。
一方、作中の気象神社の神主は、「何が異常気象じゃ?だいたい観測史上初とか、世間はすぐそんなことを言う。そりゃいつからの観測だ?せいぜい百年。」と言います。
現代の人々が考える「普通の気象状態」とは、ここ100年程度の平均的傾向に過ぎません。それ以前においては、作中のような3年間にも渡って雨雲が一箇所に滞留する事象も有ったかも知れないということです。
しかし同時に、大昔に似たような現象が有ったということが、人類が気象の異常の原因となっていないという根拠にはなりません。人類は人類の責任において異常気象と向き合う必要が有るかも知れないということです。
また、本作のクライマックスである帆高の陽菜救出劇自体が、帆高の夢の中の出来事である可能性も完全否定はされておりません。そして、たとえ帆高の体験が真実だったとしても、彼の行動が東京水没の主因であるという根拠は作中に一切示されていません。
人身御供として捧げられた天気の巫女を黄泉の国から奪い返した帆高と、地球環境を変化させることで異常気象を生み出してしまったかも知れない人類が、それぞれ首都圏への3年間の雨雲の滞留という結果を生み出したのか?はたまた全く生み出してもいないのか?正解を決め難いこのことを観客に色々考えてもらうことが本作一番の主題であり、メッセージだと私は解釈します。
なお、新海監督は2019年8月21日のKAI-YOUのインタビューで以下のように回答しています。私自身の作品解釈は上記で述べたとおりではありますが、以下も踏まえる必要が有ると考えています。
――引用開始――――――――
いい意味でも悪い意味でも、映画を観るということは単純に体験として「面白かったのか、つまらなかったのか」という動物的な反応が一番大事だと思うんですよね。「映画が伝えたいメッセージに賛同できなかったのに、思わず泣いてしまった」といったことを言われるのが一番嬉しいし、何かが出来たような気がします。
――――――――引用終了――
一方、作中の気象神社の神主は、「何が異常気象じゃ?だいたい観測史上初とか、世間はすぐそんなことを言う。そりゃいつからの観測だ?せいぜい百年。」と言います。
現代の人々が考える「普通の気象状態」とは、ここ100年程度の平均的傾向に過ぎません。それ以前においては、作中のような3年間にも渡って雨雲が一箇所に滞留する事象も有ったかも知れないということです。
しかし同時に、大昔に似たような現象が有ったということが、人類が気象の異常の原因となっていないという根拠にはなりません。人類は人類の責任において異常気象と向き合う必要が有るかも知れないということです。
また、本作のクライマックスである帆高の陽菜救出劇自体が、帆高の夢の中の出来事である可能性も完全否定はされておりません。そして、たとえ帆高の体験が真実だったとしても、彼の行動が東京水没の主因であるという根拠は作中に一切示されていません。
人身御供として捧げられた天気の巫女を黄泉の国から奪い返した帆高と、地球環境を変化させることで異常気象を生み出してしまったかも知れない人類が、それぞれ首都圏への3年間の雨雲の滞留という結果を生み出したのか?はたまた全く生み出してもいないのか?正解を決め難いこのことを観客に色々考えてもらうことが本作一番の主題であり、メッセージだと私は解釈します。
なお、新海監督は2019年8月21日のKAI-YOUのインタビューで以下のように回答しています。私自身の作品解釈は上記で述べたとおりではありますが、以下も踏まえる必要が有ると考えています。
――引用開始――――――――
いい意味でも悪い意味でも、映画を観るということは単純に体験として「面白かったのか、つまらなかったのか」という動物的な反応が一番大事だと思うんですよね。「映画が伝えたいメッセージに賛同できなかったのに、思わず泣いてしまった」といったことを言われるのが一番嬉しいし、何かが出来たような気がします。
――――――――引用終了――
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